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ケトン食有効症例

 2014年からがん患者さんに対するケトン食の臨床研究を開始して以降、標準治療とケトン食の併用が有効であったと思われる症例を学会発表を中心にご紹介します。ただ、ステージ4が完治している症例が多ため、各がんで原則1症例とさせて頂きます。それ以外の症例は、会員限定サイトで閲覧できます。とにかく、当院の外来では、標準治療のサポートを行っており、それぞれの病院でのチャンピオン症例が集まっています。

■脳腫瘍

症例1.34歳、男性。神経膠芽腫

症例2.40歳、女性。神経膠芽腫

2019年11月 神経膠芽腫で手術。もともと、神経膠芽腫は再発リスクの高いがんであるため、がん免疫栄養ケトン食療法を開始。術後放射線治療。終了後、テモゾロミド内服を開始。しかし、事前の検査ではデモゾロミドに耐性があった。

以降、がん免疫栄養ケトン食を併用しながら、標準治療を実施。

2020年1月 小脳転移あり、ケトン食と電場療法(オプチューン)を併用(1回目の再発)

2020年4月 小脳転移は、消失(CR)

2022年2月 4mm大の再発病変あり、アバスチンを再開(2回目の再発)

2022年4月 再発病変は、ほとんど消失(CR)。アバスチンは継続

2024年7月 頭部MRIで再発なし。現在も月1回、アバスチンを継続。

杏林大学病院のチャンピオン症例

■悪性リンパ腫

症例:73歳、男性

 慶応病院血液内科で、悪性リンパ腫で、R-CHOP療法後の鼻腔内再発で、がん免疫栄養ケトン食療法希望で2022年12月当院を受診。ケトン食療法を開始。

2023年1月 R-ESHAP療法(E:エトポシド+S:メチルプレドニゾロン +HA:大量シタラビン+P:シスプラチン)を開始

2023年2月 Pola-BR療法を開始し、がんが縮小。

2023年3月 CAR-T療法を開始

2023年6月 PET-CTで集積なし。

2023年9月 PET-CTで集積なし。完解中

(慶応大学病院のチャンピオン症例)

■甲状腺がん

症例:38歳、男性

甲状腺腫瘤を近医でフォローされていた。

2019年1月 精査希望で、隈病院を受診→散発性甲状腺髄様癌の診断

2019年6月 甲状腺右葉峡部切除+D2b郭清施行

2021年6月 PET-CTで上縦郭に集積あり。(他にも頸部に淡い集積あり)

2021年7月 愛知県がんセンターを受診。

2021年8月 1tND+右腕頭動脈下LN摘出+右反回神経合併切除神経再建

2022年5月 胸椎~腰椎、骨盤骨に複数の溶骨性病変出現

2022年6月 Vandetanib300㎎/日投与。

2022年7月 Zometa 4㎎/月1回投与を開始。

2022年7月 国立がんセンター東病院にセカンドオピニオン→CTで、腫瘍はSD。Selpercatinibを開始。

2023年2月 がん免疫栄養ケトン食療法希望で当院を受診し、ケトン食を開始。

2024年5月 腫瘍マーカーは改善し、縦郭転移は消失、骨転移のみ。→共存モード

(愛知県がんセンターのチャンピオン症例)

■乳がん

■49歳、女性。 乳がん術後肝転移

2017年1月、乳癌術後、多発性肝転移で、当院外来を受診。がん免疫栄養ケトン食を開始。

肝機能障害あり、ウルソを内服中。PAC+アバスチンを施行。

2017年6月 その後、CT検査で、肝転移が縮小し、CA15-3も正常化。

2017月12月 CT検査で、SD。増大なし。ハイブリッド検査では、ぎりぎり合格

2018年1月 抗がん剤の副作用で、腎機能障害、高血圧のため、ハラヴェンに変更

2019年1月 CT検査で、著変なし。SD。しかし、リブレでは、食後のグルコーススパイクあり、スーパーケトン食の継続を指示

2019年3月 PET-CTでは、肝転移に集積なし。画像的にCRで、共存モードへ

ここで、やや糖質制限を緩めてもいいと指示。

2019年7月 ハラヴェンを継続し、CRを維持

2020年12月 CT検査を行い、肝転移はなく、CRを維持

2021年6月 胆石、総胆管結石で、ERCPを施行。PET-CT検査で、肝転移の部位が2か所、肋骨に1か所集積あり、再発疑い。

2021年9月 胆のう摘出術。術後、イブランス、フィソロディックスに変更

2022年4月 イブランスで、肝転移がやや縮小。やや肝転移が進行

2022年10月 多発肝転移に対し、虎ノ門病院肝臓外科の進藤先生が肝切除

2023年11月 CT検査で、残肝に多発性肝転移の再発。腫瘍マーカーが上昇

2024年1月 CT検査で、残肝の多発性肝転移は多くが1㎝以下に縮小

■食道癌

(虎ノ門病院本院のチャンピオン症例)

■胃がん

症例:76歳、男性

2021年7月、検診で、貧血を指摘され、精査の結果、胃癌 T4aN1M1(HEP,OSS)cStageIVB (肺、肝、リンパ節、骨転移)

手術不能のため、抗がん剤治療を開始

2021年9月 SOX+HER c1d1(S1 100mg,L-OHP 100mg)

抗がん剤の開始とともに、がん免疫栄養ケトン食療法のスーパーケトン食を開始

2021年11月 新規肝転移、新規肺転移が出現し、PD判定

2021年11月 RAM+PTX c1d1

2022年1月 腫瘍マーカーが改善してきた。しかし、腹部CT検査で、大湾リンパ節転移は一部腫大。PD判定

2022年1月 T-Dxd(エンハーツ)に変更

2022年5月 6コースで評価、腹部CT検査を実施、PR評価。しかし、薬剤性肺障害の疑いあり、エンハーツは中止。

2022年6月 臨床試験(CCOG2104)に参加。TAS+RAM(110mg/8)

3コース行い、新規肺転移あり、PD判定

2022年10月 切除不能進行胃癌に対し、延命目的で化学療法を行ってきたが、腫瘍増悪と判断し、緩和治療(BSC)の方針となり、がんの治療は一切終了となり、がん免疫栄養ケトン食のみとなる。

2023年5月 主病巣の胃がんは瘢痕化し、生検で、悪性所見なし

2023年8月 CT検査で、リンパ節転移が消失、肝転移、肺転移、骨転移は著変なし

2024年2月 2回目の上部消化管内視鏡検査で、前回同様の所見で、生検を行い、悪性所見なし。

2024年3月CT検査では、肝転移、肺転移は、著変なし

2024年5月 腫瘍マーカーが正常化し、ドックラボで陰性。主病巣が消失し、リンパ節転移、骨転移が消失。腫瘍マーカーが正常化しているため、肝、肺の病変は形骸化と診断し、完解。

(神奈川県立がんセンターのチャンピオン症例)

■膵癌

症例:48歳女性 膵頭部がんステージ4

膵頭部癌、上腸間膜動脈浸潤で、ステージ4で、手術不能であったが、治験に参加。そのタイミングで、2019年4月当院を受診。その後、治験の抗がん剤治療と、がん免疫栄養ケトン食療法を8か月実施。

2020年8月のCT検査で、3㎝弱のがんが2.3㎝に縮小

2020年11月のCT検査で、がんはさらに縮小し、血管から外れたため手術適応に。

2020年12月 膵頭部癌に対し、膵頭十二指腸切除術を受けた。

術後病理の結果、リンパ節転移なく、ステージII

2024年6月 再発なし

コメント:動脈浸潤のある膵癌は、手術不能であり、ステージ4です。この症例では、国立がんセンター中央病院の治験に参加をされて、最終的に30名のうち唯一生存されている方です。膵癌の術前の抗がん剤に、がん免疫栄養ケトン食を併用すると、目に見えないがんを消すため、術後の再発が抑えられるのです。そのため、膵癌で、手術を受けらえる方には、術前に、ケトン食を行い、がんの勢いを抑えることで、術後のがんの再発を抑えるとがんが報告されています。

(国立がんセンター中央病院のチャンピオン症例)

■小腸がん(希少がん)

症例. 47歳、男性

小腸癌に対し、出血コントロール目的に、

2019年9月 小腸部分切除、リンパ節郭清を行った。

術後、がん研有明病院にセカンドオピニオンに行くも、有効な抗がん剤治療がないため、

2019年12月 がん免疫栄養ケトン食療法を開始。

2020年3月 腹部CT検査で、腸間膜に結節が散見され、リンパ節転移や腹膜播種の診断

がん免疫栄養ケトン食のスーパーケトン食を継続

2021年7月 腹部CT検査で、腹膜播種結節、リンパ節転移が消失

がん免疫栄養ケトン食のスーパーケトン食を3年間継続

2024年7月 腹部CT検査で再発なし(CR)

(都立多摩南部地域病院のチャンピオン症例)

■大腸がん

■55歳、女性。直腸がん術後、リンパ節転移、肺転移

2013年12月 直腸がんに対し、低位前方切除術施行。病理の結果、ステージⅢB

2014年1月~ FOLFOX4を12クール実施。CT検査で、リンパ節再発あり。

2015年から、UFT/ユーゼル+Radiationを行い、やや縮小。

その後、IRIS+アバスチン 9クール実施し、やや増大(PD)

その後、FOLFIRI+Cet 12クール実施。

2016年8月 左肺転移が出現

2016年9月 FOLFIRI+Ramを開始

2017年1月 CT検査で、総腸骨動脈レベルのリンパ節転移、左肺転移が増悪

2017年9月 CT検査で、肺転移の増大あり。

2017年10月 FOLFIRI+アフリバセプトを開始。11クール実施。

2018年6月 肺転移が軽度増悪(SD)

2018年9月 FOLFIRI+Cet リチャレンジ6クール実施。しかし、CT検査で、肺転移がやや増悪

2019年10月 肺転移に対し、胸腔鏡下左上葉上大区切除および下葉部分切除術

2020年4月 CT検査で、肺転移術後に新たな肺転移が出現

2020年8月 CT検査で、肺転移はやや縮小

2020年10月 PET-CT検査で、リンパ節転移は集積なし。左下葉の肺転移には軽度集積あり。サイバーナイフを実施。

2023年6月 CT検査で、再発や新たな転移なし

2024年3月 CT検査で、右肺に認めた小結節は消退。

■症例2:60歳、女性。直腸がん術後多発性肺転移

■子宮体癌

症例:58歳、女性 子宮頚癌IIIC1再発高リスク群

2020年2月、子宮頚癌IB1期、卵巣悪性腫瘍の診断で、広汎子宮全摘術+両側付属器摘出術+骨盤リンパ節郭清術+大網部分切除術施行。

術後病理結果で、子宮体癌IIIC1(pT3aN1M0)類内膜癌G3の診断。術後再発高リスク群のため、術後化学療法を実施。

2022年3月~AP療法(アドリアマイシン+シスプラチン)6サイクル施行。

2021年8月 CTで再発兆候なし

しかし、2021年6月から、CA125が、49と上昇。

2021年10月で、76まで上昇。

2021年12月当院を受診。がん免疫栄養ケトン食を開始。抗がん剤などの治療の併用はなし。

2022年8月、9か月間、がん免疫栄養ケトン食療法を継続し、CA125が、34で正常範囲に低下。

2024年1月 CTで再発兆候なし

2024年4月 ドックラボで陰性。→完治

コメント:子宮頸がんの術後の再発高リスク群を抑え込んだ症例です。特に、CT上再発がないため、通常は、抗がん剤治療は行いませんので、約2年間、がん免疫栄養ケトン食のみで、微小のがんを消した貴重な症例です。ケトン食が、がんの再発予防にも効果が期待できるのです。

(北里大学病院のチャンピオン症例)

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